保険とPBM事業を手掛けるユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)が気になっています。同社は好業績・高成長で、株価は昨年10月まではうなぎ登り。2009年に配当を出し始めて以来増配率も平均30%、直近も20%の増配と文句なしの企業でしたが、2018年末から株価は一転下落傾向です。

最高値281.36$から232.85$まで約-17%の下落です。配当利回り1.87%でS&P500の平均と同じくらい。高配当ではないですが、上に書いた通りユナイテッドヘルスは増配率が大きいので、万が一このままいっちゃうと今買った株の配当利回りが軽く10%超えます。このままいっちゃったりもしないと思いますが。
ただ、株価は下がり続けるかもしれません。
理由は政策リスクがあるからです。2019年初期にトランプ政権がPBM制度の見直しを提案しました。2020年選挙に向けての国民へのアピールだそうですが。
トランプ氏以外の有力政治家からも従来の保険・PBMについては見直しの提案が出ていて(Medicare for all=保険は暴利むさぼりけしからん是正&PBMは国がやる)、本当に見直されてしまったらユナイテッド・ヘルスの仕事は無くなります。
また、Amazonが医薬品販売へ参入、またPBM事業へ参入することによって医療業界の勢力図が書き換わる可能性があり、最悪、製薬メーカー以外はほぼ壊滅状態になる可能性まであるそうです。
まず、来年の選挙が終わるまでは、ユナイテッド・ヘルスはどうなるか分からないということでしょう。政策リスクが持ち上がってから同社の株価は下落傾向となりました。でも、トランプ氏などの発言が選挙向けのアピールに過ぎない場合は反発するかもしれませんね。
落ちるナイフの揺れが落ち着いてから掴みたい、注目していきたい銘柄だと思っています。
ユナイテッドヘルス 事業概要
ユナイテッドヘルスの事業は次の2つです。
- ユナイテッドヘルス ・・・ 保険業
- オプタム ・・・ PBM(薬剤給付管理)
アメリカではPBMというシステムで処方薬の給付・管理を行っていて、医者もPBMを基に薬を出します。薬の売れ行きに関わるシステムですので、PBM事業を持っていれば製薬会社との価格交渉を有利に進められます。
保険業は、治療に使われる薬が安価であれば医療費支払いが減るということから、保険業とPBMの両方を持っていると非常に高いシナジー効果が得られるそうです。
ユナイテッドヘルスは保険業とPBMの両方でトップクラスの地位にあり、急速に業績を拡大させてきました。
ユナイテッドヘルス 業績

売上は順調過ぎるくらい伸びています。2009年の数値入ってませんでしたが、10年間でほぼ3倍の売上増大です。

キャッシュフローの伸びも順調です。営業キャッシュフローマージンは6~7%程度と高くないですが、保険事業はどこも一桁程度となります。
ユナイテッドヘルス 配当推移

2009年から配当開始(正確にはそれ以前も極々少ない配当は出してましたが)しました。2010年データを載せると増配率がとんでもないことになりますので割愛しました。
8年間の増配率平均値は約30%!直近でも20%ですが、もし増配率が維持されれば今買った株の配当利回りが11%を超えます( ゚Д゚)ワォ!
(ま、実際は少しずつ増配率は下がっていくんでしょうけど、それでも夢がありますね)
まとめ
ユナイテッドヘルスは保険とPBMの両事業でトップクラスの地位を持ち、急激な成長を続ける優良企業です。増配率も極めて高いです。
ただ、政策に業績が大きく左右される事業であり、2020年に向けての政治家アピールもあって、近年の株価は冴えません。
このまま政策に牽制され続けることで、業績に関わらず株価の下落トレンドが続くようならば、高配当銘柄、大幅増配銘柄として期待できるのではないでしょうか。
続く
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