2月28日にたばこ銘柄ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の年末決算報告がありました。増配もありましたし、内容としては悪くなかったと思いますが、発表日の株価は前日比-1.37%と下げました。
以下、導入
ブリティッシュ・アメリカン・タバコはイギリス・ロンドンに本社を置く、世界最大手のタバコ会社です。日本でメジャーな同社製品と言えばラッキーストライク、KENT、KOOLなどでしょうか。今は加熱式タバコgloに力を入れていますね。
株価は2017年半ばから下げ続けています。
- レイノルズ・タバコ買収による有利子負債の増加
- ブレグジットの不透明感
- 米FDAによるメンソールタバコ規制発表
- 同様に欧州でも2020年にメンソールタバコ規制
- 嫌煙志向の進行に、年々減る喫煙者数
などなど、下げる理由はいくらでもあったみたいですが、下げ過ぎて2018年末には8%を超える高配当になってしまいました。減配の可能性も囁かれていました。
最近は少し持ち直していて、2019年3月6日の株価は38.44$、配当利回りは6.97%です。
ちなみに私もブリティッシュ・アメリカン・タバコの株式を保有していますが、約-27%の含み損を抱えています。
しかしながら、今回の決算を見てみると、ネガティブなニュースがあっても同社は業績の成長に自信を持っているように見えます。3月21日に権利確定ですし、その前に追加投資したいと思いました。
・・・でも、ブレグジットへの不安が・・・
導入終わり
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ決算内容
以下、決算内容です。イギリスの企業なので通貨単位はUS$ではなく、p(ペンス)、£(ポンド)での表記となります。
- EPSは予想292.34pに対して296.7pでOK
- 売上高は予想£24.36Bに対して£24.31Bで×
- ガイダンスは見当たりませんでした
為替要因を除いた内容は
- EPSは315.5pでOK
- 売上高は£25.76BでOK
となりました。
gloの売上が+184%と大幅に伸びています。
フリーキャッシュフローについても、2017年が£3,500Mに対して2018年は£7,684Mと倍以上になっています。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ増配発表
また、4.0%の増配が発表されました。配当性向は68.4%で配当利回りは2019年3月6日現在6.97%です。
現CEOのDurante氏によると、
「米国で提案されている規制変更による投資家不安を認識しています。当社は、規制の動向を管理するための長年の経験、将来への投資を行いながら力強い成長を実現した実績、および確立された複数カテゴリのアプローチを有しています。私の後継者であるJack Bowlesが、Transforming Tobaccoのアジェンダを加速させるにつれて、同様のレベルの持続可能な長期リターンを提供し続けると確信しています。 2019年を見て、私たちは単年度調整された恒常通貨ベースでの収益の成長率がさらに1年間上がると確信しています。この確信は、配当を4%増やすという取締役会の提案に反映されています。」
British American Tabacco PRELIMINARY ANNOUNCEMENT – YEAR ENDED 31 DECEMBER 2018 より
とのこと。今後の成長の確かさは今回の増配が示している、ということですね。
ブレグジットへの不安
決算内容は悪くなかったと思います。売上高はコンセンサス予想を下回ってしまいましたが、EPSはコンセンサス予想を上回っています。
ただし、為替要因を除けば売上高、EPS共にコンセンサス予想を上回る数字となるようですが。。。為替の影響を大きく受けてしまうようです。
また、今回も増配が発表されましたが、ブリティッシュ・アメリカン・タバコはポンドベースで配当を出しています。我々日本人が同社からの配当を受け取る場合、US$で受け取る方が多いでしょうから、為替次第では実質減配ということも有り得ます。
高配当銘柄としてブリティッシュ・アメリカン・タバコへ投資し続けていくとなると、やはり、為替が不安要素となりそうです。目下の不安はブレグジットです。
3月29日の期限を前に、ブレグジットの延期について議論されています。ブレグジットが実施されることによる経済への影響は不透明ですし、このまま問題が長引くことも不安が続くことになり、ポンドにとって良くないと思います。
今後もブリティッシュ・アメリカン・タバコへの投資については注意していきたいと思います。
過去のブリティッシュ・アメリカン・タバコ記事です↓
続く
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