S&P500と保有米国株のリターン・リスク・シャープレシオを計算してみた

2月7日のフィリップモリスまで保有株の決算発表がなく、毎日株価チェックしている訳でもないので少し暇があり、

  • 水瀬ケンイチ氏の『お金は寝かせて増やしなさい』
  • ハワード・マークス氏の『投資で一番大切な20の教え』
  • チャールズ・エリス氏の『敗者のゲーム』

などを読んでいたのですが、リスクやシャープレシオの話があり、『気になっていたけど忘れてた』ということで今回計算してみました。

ちなみに上記の著書はどれも一度は読んでいるのですが、読み返してみると内容を全然覚えてなかったので、やっぱり何度も読み返さなくちゃダメみたいですね。『金持ち父さん貧乏父さん』など、引っ越しで捨ててしまった本もあるのですが、少し後悔しています。捨てた著書全てに再度学ぶところがあるかは分かりませんが。

なお、これまで市場平均や個別銘柄についてリスクを計算しなかったのは、自称長期投資家らしく長期における株式のリスクは債券よりも小さくなるという主張を盲目的に信じているからですね。債券より安全ならいいだろう、まる。って感じで(;^ω^)

出典:『敗者のゲーム 原著第6版』チャールズ・エリス著

今でもそれを疑っているわけではありませんし、債券に投資するつもりもないのですが、そもそも個別銘柄を保有しているのにvs市場平均のシャープレシオを見ていないってどうなんだろう、って今更思いました。個別銘柄が市場平均より儲かりそうだという一つの判断材料になるデータのはず。

ということで、保有銘柄についてリターン・リスク・シャープレシオを計算し、S&P500と比較してみますと、売ろうかと思っていたウォルマートが強くて意外でした。あとはジョンソン&ジョンソン、プロクター&ギャンブル、コカ・コーラ、マクドナルドなどが強かったです。ここらへんはやはりと言ったところ。

アルトリアがかろうじてS&P500を上回っていましたが、意外にもブリティッシュ・アメリカン・タバコは強かったです。しかし、規制、ブレグジットを前に今後はどうなるんでしょうね。。。数値で見ても、心情的にも、総じてたばこ銘柄はリスクが大きいみたいです。ん?心情が株価に現れるからってことか?

とりあえず、リターンやリスク、シャープレシオについて、私の認識から入っていきたいと思います。

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リターンについて

投資対象の損益率のこと。例えばある株の1日の終値が前日終値より1%上がったらその日の日次リターンは1%。1年の終値が前年終値より1%下がったらその年の年次リターンは-1%。長期投資だと何年分(何十年)もの年次リターンを見て、平均で年間何%のリターンを得ているか?といった情報を投資先の判断材料にすると思います。

ただ、たとえ過去何十年分の平均リターンを確認したとしても、将来のリターンが何%になるかは分かりません。平均リターン = 期待リターンではないです。正確な期待リターンを得るためには過去だけでなく、世界の経済情勢・政策、技術発展、人口動態など未来のことをすべて見通さなくてはならないからです。

また、後段に出てくるリスク(ばらつき)があるので、そもそも単年や数年で見ても平均値どおりのリターンなんて出ないです。

何十年も様々な景気サイクル・市場暴落・逆境を経て、なお安定して高いリターンを上げ続けてきた会社の株だから今後も続きそうだとか、景気サイクルと併せてみることでどのサイクルで強いとか、投資先の傾向はなんとなく見えるのではないかと思います。

ちなみに、私は『Yahoo!Finance』で保有銘柄の『Historical Data』から取れる限りの日測終値をダウンロードして各銘柄、各年の年次リターン、平均年次リターンを計算しました。年次リターンは日測を各年足し算すればいいですし、平均はExcelでAverage関数を使って計算しました。

NYSEの営業日数が毎年一定ではないのでしょうが、全日測終値の平均に251日をかけてもほとんど同じ結果が得られると思います。

365日(1年)×5/7(土日休み)-9日(特別な休み) ≒ 251日(営業日数)だからです。

リスクについて

平均リターンから何%振れるかというばらつきのこと。確率統計学でいう『標準偏差σ』のこと。一般的なイメージとは違い、投資の世界ではリスク = 危険性ではありません。また、リスクはボラティリティとも言われます。

例えば、平均年次リターンが5%でリスク(σ)が(±)15%なら、過去の年次リターンは概ね-10%~+20%の間で推移し、その期間の平均をとると5%になるということです。

『概ね』と書きましたが、上記の例で年次リターンが-10%~+20%に収まる確率は約68%です。

リスクを2倍想定(2σ)、ようするにリスクが(±)30%と考えた場合は、平均が5%ですから、年次リターンが-25%~+35%に収まる確率が分かります。約95%です。

また、リスクを3倍想定(3σ)すれば、年次リターンが-40%~+50%に収まる確率は約99.7%となります。

以上のように、各リスク○倍想定に対して確率△△%でその通りになる、というのは確率統計学で決まっています。

ただ、リターン同様、リスクも過去のデータから推測されるものです。確率通りにいかないと思うこともあるかもしれません。現実が確率通りに行かないとしたら、それはサイコロ振っても1/6の確率で目が出ないのと同じですね。何万何十万回と振れば各目の出る確率が1/6に近づいていくんでしょうが。。。

自分の投資成績が平均通りになることを確かめるには、投資家のライフサイクルは短いのかもしれません。

個人的には、リスクについて知っておくと、事前に『こんなにも大きくマイナス側に触れる可能性が結構あるんだなあ』ということが分かって精神的な安定に繋がると思うので、それが一番の利点かなーと。経験が無くとも、知識があるだけで大きいと思うのです。

予期しなかった暴落でパニック、狼狽売り、というのが一番やっちゃいけないと思うので。稲妻の輝くときは一瞬。その瞬間にほとんどのリターンが詰まっている。そして暴落は最大のチャンス。暴落で相場から降りてはダメなんだ。

ちなみにリスクはExcelだとstdev.p関数とsqrt関数を使って求めました。

シャープレシオ

リターンをリスクで割ったものです。投資効率を示す指標となります。

例えば、

  • ① 5%のリターンで10%のリスク ⇒ シャープレシオ0.5
  • ② 8%のリターンで20%のリスク ⇒ シャープレシオ0.4

①の方が投資効率が良い、ということになります。

投資効率はリターンで判断されることも多いと思いますが、たとえリターンの単純平均が同じ値だとしても、リスク(ばらつき)があるので投資期間内のトータルリターンは同じ値にはなりません。

広瀬隆雄氏の著書『Market Hack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法』から例を出しますと、

  • A銘柄 1年目 +5%  2年目  +5%
  • B銘柄 1年目 +10%  2年目  +0%
  • C銘柄 1年目 +15%  2年目 -5%
  • D銘柄 1年目 +20%  2年目 -10%

と4つの銘柄がそれぞれ違うリターンを出したとします。A銘柄はリターンにばらつきがなく、Dのばらつきが一番大きいです。ただし、どれも2年間を単純平均すると同じく5%のリターンになります。

ここで、4銘柄の2年間の複利リターンを計算すべく、10,000$ずつ運用してみると、

  • A銘柄 1年目 10,500$  2年目 11,025$
  • B銘柄 1年目 11,000$  2年目 11,000$
  • C銘柄 1年目 11,500$  2年目 10,925$
  • D銘柄 1年目 12,000$  2年目 10,800$

となります。リターンに差が出ました。ばらつきが大きい方がリターンが小さくなったようです。各銘柄の複利リターンを計算すると、

  • A銘柄 複利リターン 年率 5.0%
  • B銘柄 複利リターン 年率 4.9%
  • C銘柄 複利リターン 年率 4.5%
  • D銘柄 複利リターン 年率 3.9%

と大きく差が出ました。

つまり、平均リターンだけに注目したのでは、投資期間内におけるトータルリターンの優劣は分からず、リスク(ばらつき)も考慮した投資効率の評価指標がシャープレシオとなります。

シャープレシオは主に投資信託の評価に使われるそうです。欠点として、やはり過去のデータに基づいた指標でしかなく、将来が分かるわけではないという点が挙げられています。でも、判断材料の一つとして有効だと思います。

本来は、リターンから無リスク資産(国債)のリターンを引いたものをリスクで割るのですが、私はS&P500と保有銘柄について大小比較ができればいいので、単純にリターン÷リスクで計算しています。

S&P500、保有株のリターン・リスク・シャープレシオ

ということで、実際にS&P500と私の保有株に対して、リターン・リスク・シャープレシオを計算してみました。思いのほかイケメンなグラフになり、テンション上がりました(*´ω`)

S&P500、保有株のリターン・リスク・シャープレシオ(配当含まず)
S&P500、保有株のリターン・リスク・シャープレシオ(表)

表中、マイクロソフトが薄字になっているのは、短期間かつデータが尖がり過ぎてて参考にならないからです。そもそも保有していませんでした。めっちゃ欲しいけど。暴落してどうぞ(´∀`*)

アッヴィやフィリップ・モリスなんかも期間が短すぎてあんまり参考にならないかな、と思っています。(一部、銘柄名が赤字なのは気にしないでください、数か月のうちに買い増しする候補です)

あと、シャープレシオが%表記なのも正規の書き方ではないのかもしれませんが、要は優劣が分かればどちらでもいいと思っています。

S&P500 vs 個別株

配当込みならば、S&P500のリターンに対して、どの保有銘柄もシャープレシオで勝っています。

ですが、シャープレシオは過去のデータに過ぎないと言われますし、試しに最近没落したGEを見ると、リターン9.94%、リスク25.69%、シャープレシオ38.68%と意外にも結構良い数字。配当抜きならS&P500より投資効率が良かったみたいです。でも、それが今後もそうなると思う人は今は居ないでしょう。

GE
S&P500

やっぱり、シャープレシオなんて当てにならないんじゃないか、って声が聞こえてきそうですが、そんなことはないと思います。そもそもシャープレシオは判断材料の1つにしかなり得ません。

前提として、過去だけでなく現在のEPSや売上、キャッシュフローに問題が無く、増配(株主還元)を続けてくれる企業のみを投資候補としてピックアップすべきです。そこにはGEのように長期で業績が低迷してしまった企業は挙がりませんし、既に保有している銘柄の業績についても決算やニュースをチェックしているはずです。

また、シャープレシオが一番高い銘柄に集中投資などしないでしょう。セクター分散、銘柄分散は必須です。

加えて割高(高PER、低配当利回り)になっている銘柄にも投資はできません。その人気ほど高いリターンは望めませんし、業績以上に人気が集まった銘柄は、その期待が損なわれた時の暴落が怖いからです。

他の指標では優劣つけ難い複数の銘柄がある場合などに、判断材料が1つ増えると考えればシャープレシオは有用なのではないでしょうか。

統計はサンプルデータが多いほど正確な値が出ると言われますが、経済情勢、業績の変化、チャートの変化なども見ながら、時には観測期間を絞って見てみることも大事なのではないかと感じました。次、そうしてみようと思います。

直近の資産状況です。

米国高配当株とS&P500へ投資しています。2019年2月1日時点の資産状況を記事にします。個別株の保有額は53,835.91$で...

続く

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